午前中の穏やかな日射しも、正午近くなると強さを増し、私は
思わず近くの公園の緑陰に涼を求めて逃げ込みました。
グラデーションの美しい若葉の間から辺りを見まわすと、そこには休日の公園にふさわしい光景があります。
サッカーボールを追いかける子供たち。ベンチで楽し気に
サンドイッチを食べるカップル。
そんな中、ひと際目立つ男性。真っ白なシャツは新樹光を浴びて
キラキラと輝いている。
どうやら、飛び跳ねるように走る足の短いユーモラスな犬に、
繰り返しボールを放ってあげているようです。
子供のように無邪気に笑う横顔をぼんやり眺めていました。
するとボールは高くゆがんだ弧を描き、軌道をそれ、
私の足元に転がってきました。
笑顔をこちらに向けて何か叫んでいる男性。
「こんにちは!」と答える私。
これが、私とニコロ、カートとの出会いです。